あきこさんのチェンバロ生演奏初体験記

　米良さんをきっかけにＢＣＪの世界に触れたあきこさん。いまではすっかりＢＣＪのとりこになってしまったようです。そんなあきこさんが、3月7日に彩の国さいたま芸術劇場で行われた鈴木雅明さんのバッハ「イギリス組曲」全曲演奏会に、遠く仙台から駆けつけてくれました。



　3月7日、鈴木雅明さんのチェンバロ・リサイタルに行ってきました。

　鈴木さんのチェンバロに感じたのは、どの曲も芯がしっかりしていること。それでいてとても柔らかい。ステップを踏むがごとく軽やかで、しかし決してふわふわしていないのです。そしてチェンバロの音色が本当に微妙に変化していくのには驚きました。
　雅明さんの演奏については、生演奏初体験の私にもその素晴らしさは充分すぎるほど伝わりました。聴きに行って、本当によかったです。

　そしてこの日のもう一つの素晴らしい出来事、それはＡＨさんをはじめとするＢＣＪファンの方や、武田マネージャー、そして何と雅明さんご本人にお会いした事！

　ＡＨさんは私と同じ列の、5人ほどおいた席にいらっしゃいました。とても堅実そうな（見かけだけです：編者注）、そしてとても親切な方で、チェンバロを聴くにはあちらの席がいいんですよとか、調律のこととか丁寧に教えてくださいましたが、それだけにとどまらず、私を方々に紹介してくださったのです（ＨＰで素人まるだしの私は、恥ずかしいやら嬉しいやら何とも複雑な心境でしたが）。明の星さん、あまりよくお話は出来ませんでしたがとても感じのいい方々でした。マネージャー見習い中という深畑さんはさわやかな感じの青年。そして、武田さん。ＢＣＪをＢＩＳに宣伝し世界的にメジャーにさせた辣腕マネージャーと聞いていたのでさぞかしキリッとした人なんだろうなと想像していましたが、実際はにこにこっとした優しいお兄さん。「へぇ、こんなに優しそうなあんちゃんが、あれだけすごい仕事をした人なんだぁ（失礼）」と思わず納得（？）してしまいました。
　ひととおり挨拶が済んだ後、雅明さんが別のホールでチェンバロの試し弾きをする（シェークスピアにちなんだコンサートの企画があるらしい：編者注）というので、ＡＨさんに連れられその場所へ。調律師の林さんや会場スタッフの方々が慌ただしく準備をする中、こちらはのんきにその様子を見学（ごめんなさい）。そこへ、雅明さん登場！ＡＨさんはまたまた私を紹介してくださり、「いやあ、昨年は高松まで遠いところをはるばるおいでいただいて」「今日はわざわざ仙台から？」「4月は横浜までいらっしゃるそうで」などと、周りのスタッフの「早くしろ」光線を浴びながら、お話をしてしまったのでした。クラシック・サロン（ＮＨＫ−ＦＭ）でもそのお人柄に多少はふれていましたが、こうしてお会いしてみて、その飾らない気さくなお人柄にますます好感を覚えました。う〜ん、やっぱり素敵な人だ。

　その後、近くの焼き鳥屋に行き、武田さんとＡＨさんと3人で飲みました。ＣＤに関する話とかいろいろ苦労話などもお聞きしましたが、この日はじめてお会いしたというのにまるで以前からの友人のような気がしてくるから不思議です。そもそもこうして飲みに行くということ自体、普通だったら考えられない出来事。でもそれが自然にできてしまう。それがＢＣＪとそれに関わる人々のあたたかさなのです。

　でも、こうしてお会いできたきっかけ、それは「ほんのちょっとの勇気」でした。音楽のことは何もわからない、笑われるかもしれない、でもＨＰを見てメールを出してみたいと思った。そうして送った1通のメール、そこから交流がはじまったのです。本来なら一生の間、お会いできなかったかもしれない人達と今ここでこうして話をしている。何て不思議じゃありませんか、そして、何と嬉しいではありませんか。

　さらに多くの人と触れ合うことが出来れば、もっともっと大きな楽しみが得られます。「ちょっとの勇気」をもつ人々が増えることを、私は願っています。

　あきこさん、ありがとうございました。こういうメールをいただくと、本当にＨＰを開設してよかったと心から思います。
雅明さんはメールにもあるように実に気さくな方です。ちまたでは「巨匠」だの「マエストロ」などと呼ばれているようですが、普段は全くそんな感じはしません。「クリオラ」の録音の際には、毎日近所の小さな焼き鳥屋（とても「マエストロ」がいくような雰囲気の店ではないけど結構うまい）へかよっていたそうで、店のおやじさんにもおなじみになったようです。我々のようなファンとも割合と気軽に会話をしてくれます。今日も、佐倉でのレクチャーコンサートの後、一緒に飲んで帰ってきました。

　私たちはＨＰ上だけでなく、コンサートの際のファン同士の交流も大切にしています。このＨＰをご覧になっていただいている方、メールをお送りいただいた方、そして、ＢＣＪを愛し、共に応援してくださる方は皆仲間です。ＢＣＪのコンサートになかなか行けない地方の方も、もし、東京へ聴きにいらっしゃるようでしたら、是非、勇気を出してメールでご一報ください。ぜひ、お会いしていろいろとお話しましょう。もちろん、あきこさんと同じように雅明さんにもご紹介しますよ。

ではメールお待ちしております。