「天使の歌声！ＢＣＪソプラノ」

〜その秘密に迫ろうとしたけどダメだった話〜

　「ＶＩＶＡ！ＢＣＪ」はじまって以来、これほど掛け声だけで終わってしまった企画も珍しい。みなさんはかつてＡＨがフォーラムで大見得をきったのを覚えていらっしゃいますか？ いまさら恥ずかしいけど、もう一度その時の文章を再録してみます。井上義さんからのメールへのコメントでした。

　その後、ちっともアップされないので、どうしたのかと思われた方も多いと思います。この際ハッキリといってしまいますが、この企画は失敗におわりました（トホホ）。いざ、ソプラノの皆さんの前に立ったらＡＨも矢口さんも緊張して何も聞けなかった。だって、あまりにも素敵だったから。取材のためにわざわざ霧吹まで買ってきて、２日間ソプラノパートの近くに水分補給をして、もう手が痛くなってしまった。そこまでやって万全の態勢でインタビューに臨んだのに．．．。

　この鈴木雅明さんが史上最強といってはばからない黄金メンバー４人の中で誰が一番長い間活躍されているのか、一生懸命過去の歴史書、いや違ったプログラムを当たってみたのですが、1991年3月28日東京石橋メモリアルホールで行われたマタイ受難曲のコンサート（ＢＣＪの東京デビュー）のプログラムには、すでに鈴木美登里さん（当時は西内美登里）と柳沢亜紀さんの名前があります。しかし、一番長い間活躍されているのは、やはり緋田芳江さんではないかと想像されます。というのも、緋田さんはＢＣＪの原点、神戸の合唱団にごく初期のころから参加しており、東京でのマタイのすでに１年前1990年4月25日の大阪いずみホールでのコンサート（これがＢＣＪの実質的なデビュー）に出演している可能性があるのです。一方、一番新しいのは星民子さん、とはいってももうすでに4年近くになります。私が知る限り、星さんのデビューは1994年4月1日のサントリーホールでのマタイです。そして、彼女のすごいところは、その後、合唱の出番がなか ったコンサートを除いて、ほぼ皆勤賞ということです。以前は村谷祥子さんがＢＣＪ創立以来の連続出演記録を持っていたのですが、現在は休団中ということで、いまは星さんがその記録に挑戦中といったところです。ただ、残念なのは、いまだにソロを歌う機会に恵まれないこと。密かに彼女のソロデビューを望んでいるファンは多いはず。是非、近いうちに彼女のソリストとしての歌声を聴きたいものです。

（その後、鈴木雅明さんと柳沢亜紀さんに直接聞いたのですが、はっきりとは覚えていないが、おそらく柳沢亜紀さんが東京の前身合唱団の最初から参加しているので、緋田芳江さんよりも古いらしいということがわかりました。しかし、柳沢さんは途中1年間ほど抜けているので、継続して活躍しているのはやはり緋田さんのようです。）（98/03/15）

　さて、肝心のインタビューの方ですが、夕方になって、鈴木美登里さんと柳沢亜紀さんが客席で語り合うという絶好の場面を見つけ、さっそく二人で駆けつけました。しかし、前述のとおり、いざ二人に近づいたら思わずボーッとしてしまって、やっとの思いで聞き出したのが、以下のとっても短いお答え。

　「指揮者より強い」というのは「指揮者の弟より強い」の聞き違いかもしれません。あとは「素晴らしさの秘密は何ですか？」ってきいても「えっ〜、誰が？」ってはぐらかされてそれで終わり。

　録音中は、あまりソプラノは文句いわれていなかったようですが、演奏会前にはかなりいろいろ言われたのでしょうね。でもやはり「女は強し」なのかな。しかし、そんな「強さ」を全く感じさせないところに彼女たちの素晴らしさの秘密がある。本当に素敵なお二人でした。録音でお疲れのところほんの少しだけでもお話ができただけでももう大満足。感謝してます。でも、これじゃ取材としては失格ですね。我ながら情けない限りです。みなさんごめんなさい。

　今回はこのように非常になさけない結果に終わってしまいましたが、次回こそはお酒の力でも借りて、「打ち上げパーティー乱入突撃インタビュー」を決行しようかと思っています。特に、緋田さんはお酒の席でのノリがいいから楽しみです。おじけずに頑張ります。応援してください。

おわり

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