ＡＨのイタリア奇行目次へＶＩＶＡ！ＢＣＪへ
第１日 東京〜パリ〜ミラノ
今回のイタリア行きは、語学が苦手なＡＨらしく、極々普通のツアーでの旅行でした。ＢＣＪのスポンサーでもある全日空ハローツアー。そして、利用する飛行機はパリまではもちろん全日空。そしてパリでアリタリア航空に乗り換えてミラノへ。実は、海外に活動拠点を置くＢＣＪメンバーが帰国する際にも全日空を利用しています。というのも、チェロの鈴木秀美さんの場合、楽器の料金がスポンサーということでまけてもらえていたからです。一回あたりの金額はたいしたことないものの、何回も行き来すると、決してばかにならない金額になるようで、とても助かるとおっしゃっていました。スポンサーとしてのもっとも大きな協力というのがこれだったのですね。
ところで、ご存知の方も多いと思いますが、直前まで全日空国際線がストライキを計画していて、果して飛行機が飛ぶのかどうか怪しかったのです。私は全日空の本社と同じビルに勤務していて、いつもビルの前で労働組合がビラ配りや演説会をやっていますが、今回もそうだったので、果してどうなるのか気が気ではありませんでした。ワールドカップ期間中はパリ便に限り運行するという話もあったので、それに期待していましたが。幸い、ストライキも中止になり、無事、全日空機でパリへと旅立つことができました。
パリ行きの飛行機はもちろんジャンボ。ワールドカップを意識してか、機体には日本代表を応援する文字が。「GOAL,GOAL,GOAL」とだんだん時が小さくなっていくのですが、なんだか、いくら応援してもちっとも点が入らなかった日本代表の戦いぶりを象徴していたようで、一次予選敗退の後であったことでもあり、ちょっと寂しく感じましたね。ちなみに、日本代表は同じ日にパリから東京へ向けて飛び立っていますから、ＡＨの乗った飛行機とシベリア上空ですれ違ったわけです。
そういえば、機内誌だか新聞だかを読んでいたら、英語で自分の名前を言う時に「I
am 〜」といわず、「My name is〜」というべきだというようなことがかいてありました。アメリカ大統領ほどの誰でも知っているような人ならともかく、普通の人は「I
am〜」というのは、相手から傲慢だと思われるというのです。「I am」これはドイツ語で言えば「Ich
bin's」日本語では「私がそれである」。そう、これこそ、あのヨハネ受難曲の最初の場面で、イエス・キリストが彼を捕まえに来たパリサイ人たちに対し言った言葉。この一言でパリサイ人らは後ずさりして地に倒れた。そのくらい重みのある言葉。それを普通の人が使っていいはずがない。おそらく歴史的にはこの事件が背景にあって、最初に言ったような習慣になっているのではないかと思いました。こんなことを思い付くようになったのも、「ＢＣＪ効果」かな？
さて、今回のツアーの参加者は約２０人。１人で参加はＡＨだけです。あとは悠々自適な老後を楽しむ老夫婦か、新婚旅行の若者が３組でした。よくよく考えてみれば、出発が６／２９．ということは、いわゆる「ジューン・ブライド」っていうやつですか。アツアツ新婚旅行がもっとも多い月でもあるんですね。そんな時に、独身男性が一人で参加するというのも、何とも居心地が悪いです。「一人旅の若い女性でもいればいいのにな」、という淡い期待は見事に打ち砕かれてしまいました。そんなこともあって、自由時間はすべて一人でかって気ままな行動に走るという、この旅行のおぜん立てが悲しいかなできてしまったわけです。
そんなくだらないことを考えながら約１１時間、ようやくパリ、シャルル・ド・ゴール空港に辿り着きました。ＢＣＪメンバーたちも、いつもこんな長旅をして帰国しているんだなあと思うと、心から頭が下がる思いです。
全日空機は第１ターミナルに到着、そこからシャトルバスでアリタリア航空の乗り場のある第２ターミナルへ。そこで、何と５時間近くも待つことになりました。普段なら退屈してしまいそうな待ち時間ですが、幸いにもワールドカップ開催中ということで、空港内にも大画面テレビが設置され、それをみて世界中の人が大騒ぎしている様子や、機関銃を持った警備員の様子を見てたりして、なんとなく暇をつぶせました。この日はちょうど準々決勝のドイツ−メキシコ戦がやっていて、ドイツ人がおおはしゃぎしていました。いろいろな国のサポーターがいて、来ているユニフォームもさまざま。見ているだけでも楽しかったです。そして、ほんの数時間前までこの場所に日本代表もいたのかと思うと感慨深いものがありました。
この空港のターミナルにはいずれもＣＤショップのＨＭＶが小さいながらもあります。ＡＨは、まず、このショップをのぞいて、どんなＣＤが売っているか調べてみることにしました。もちろん、ＢＣＪのＣＤもです。さすがにヨーロッパの空港らしく、クラシックの在庫の割合も決して低くないですね。さらに、フランスらしく、フランスバロックの比率が高いのも特徴です。残念ながらＢＣＪのＣＤはありませんでしたが、今度来る時までにはおいてもらえるようになったらいいなと思います。
現地時間２０：３０．外はまだかなり明るい（日本で言えば１７：００くらいの明るさ）中、今度はアリタリア航空機で最終目的地、ミラノへ向かいました。途中雪が残るアルプスを越え、約１時間半ほどで到着。成田を出発してから約１７時間。ようやく辿り着きました。あとはホテルに帰って寝るだけです。
こうして、第１日目が無事終わりました。あしたから移動続きの少々ハードなスケジュール。ホテルもまあまあだし、とりあえず早々と寝ることにしました。
（続く）